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Café Rainbird

冷たい音楽 (2018.12.30)

Music & Lyrics by Café Rainbird

CONTENTS
1. Icy Rain
2. 極夜
3. Just white like snow
4. クリスタル
5. Heaven: or, the world without me

Icy Rain


今年最後の雨が降る
つめたい雨 凍える寒さ
土も 草も 家も 人も  
みんな凍り付くよ

今宵氷の雨が降る
零下の雨 触れる全てを
脆く割れて砕ける
硝子に変えるよ

-I see the rain, the icy rain-
かすれた雨音
-I see the rain, the glazy pain-
こわれた部屋に響いて

ね 窓の外は
熱の途絶えた世界
もう どこにもないよ
きっと 夢も願いも


絶え間のない雨が降る
凍てつく雨 静かに浸す
花も 鳥も 街も 歌も
みんな氷の下

終わりのない雨が降る
さびしい雨 濡らす全てを
冷えて枯れて乾いた
無色に変えるよ

-I see the rain, the icy rain-
かじかむ指先
-I see the rain, the mercy chain-
とざした部屋の片隅

ね 窓の外は
色の途切れた世界
もう どこにもないよ
きっと 恋も想いも


時間のとまった
君の欠けた部屋は
ひどく寒くて
何もできない

降り続く雨はずっと止まないで
何もかも冷え切ったままで
まだ今は待つことしかできないよ
この雨が終わるまで


極夜


壊れた夢のかけら 拾って集めている
廃墟の街で僕ら すべてを忘れたまま
冷たい夜の空気が
ささやいて かすかな声で 
永遠の物語の続きを
最果てに降る雪のように 際限なく

長い夜が今日も続いていく
遠い朝 記憶はどこにも見つからず
暗い空に星だけがまたたいていて
凍りついた時の中で
僕たちは虚空をただよっている

Just white like snow


いとけのない顔して
あざやかなくちびる
夜の闇によく似た
つややかな黒髪

ひとたび顔をみせれば
誰からも好かれて
だけどそれは無慈悲な
血に飢えた運命

少し笑顔見せれば 心すぐにときめき
ふいに足を滑らす 暗い暗い奈落へと
口を開けて待っている 予定された破滅に

濁りのない雪のように
ただ白く無垢で眩しく
抗えずに惹かれていく
その柔らかいなめらかな素肌に

いつも心やさしく
どこまでも無邪気で
転落へと誘う
憎らしい死神
頬を落ちる涙に 心すぐにとらわれ
いつの間にか落ち込む 深い深い暗渠へと
口を開けて待っている 救いのない終焉に

曇りのない鏡のように
私の眼をのぞきこんで
出口もなく溺れていく
その穢れない透き通る瞳に

甘い毒の林檎のように
ああ 仕掛けられた死の罠
逃げ場もなく心奪われて
もう引き返せない――

破滅の前のつかのまでも
その生命の花 手折れば
私はやっと手に入れるだろう
そう 憎むほど いとおしいおまえを

クリスタル


虚空の静寂に そっと耳を澄ませば
聞こえる 透明な歌 音のかけらが

色のない空 見つめる瞳に
遠い面影が浮かんでは薄れる
長い忘却はみんな連れ去って
あとはもう からっぽの記憶だけが残されて

過ぎる景色は
淡い まぼろし
だけど言葉はあふれて

壊れた想い出は
澄んだ詩に変わるよ
無限の時を静かに刻みながら


浜辺に建った砂の城は
置き去りのまま 人知れず崩れる
強い感情はいつか風化して
あとはもう 名前のない想いだけが残されて

触れる心は
消える うたかた
だけど気持ちはあふれて

降り積む空白は
澄んだ音に変わるよ
無限の色を静かに夢見ながら


虚空の静寂に そっと歌いかければ
あふれる想い 雫に変わって

こぼれた透明な水晶の言葉は
ごらんよ 空の彼方で瞬くから


Heaven: or, the world without me


ある日気づいた 僕は間違い
この世のどこにも居場所はないと

消え去りたい ただひたすら

僕のいない世界はやすらかで
遥かなその場所を≪天国≫と呼ぶのだろう


日々の終わりをいつも願って
だけど今でも僕は消えずに

消し去りたい 消し去れない

いつか僕に終わりの日が来ても
約束の≪天国≫は鎖されたままだろう
魂を持たない僕だけは
永遠の荒野に取り残されるだろう

僕のいない世界は穏やかで
無限の日常が続いていくのだろう
完璧な明日はまっさらで
果てのない希望で満ちあふれているだろう



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