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Café Rainbird

φ式心象投影機 phi mind projector (2019.12.30)

Music & Lyrics by Café Rainbird

CONTENTS
1. 灯りを消して(03:34)
2. Landscape Garden(02:34)
3. 竜骨生物群集(03:18)
4. 砂漠の愛(04:43)
5. おもかげのまち(03:03)
6. スノウ・マリンスノウ(04:24)
7. Terminal(03:46)
8. phi phenomenon(05:56)

灯りを消して

喜劇の終わりは不意に訪れ
壊れた舞台が残って
うつろな瞳は空を見つめて
汚れたナイフは乾いて

灯りを消して 闇で満たして
やさしい夜が ほら 全部隠すから
破滅の底で 望む望みは
ただひとつだけ
ただ静かに休むことだけ


物憂く時計が零時を告げて
魔法の終わりを報せて
倒れたあなたは冷たくなって
無口な彫塑に変わって

灯りを消して 闇で浸して
嘘の世界が ほら 融けて消えるから
悪夢の中で願う願いは
ただひとつだけ
ただすべてが終わることだけ

Landscape Garden


*instrumental

竜骨生物群集

ふりゆく水晶の砂
時の記憶 太古の夢
深く深い海の底に
僕らを残したまま


ガス燈は暖かく
街角を照らし出す
どこかの場所 だれかの街 
海の底の都市を

魚たち集まって
窓の外を泳いでいる
覗き込むのは
眠らないひとみ


巡りゆく海流は
いつまでもさまよって
長い旅のおしまいには
どこにたどりつくのだろう

僕らの行き先は
終わりのない時の彼方
旅の途中で
崩れることもなく


眠れる過去の遺跡が
映し出す遠い日が
かすれるころに僕らは
ゆっくりと石になる


ふりゆく硝子の砂
波の記憶 過去の夢
積もり積もる泥の底に
僕らはうずもれて

時は回る歯車
季節巡り 変わっていく
暗く寒い石の中に
僕らを忘れたまま

砂漠の愛

人知れず旅人が
迷い込むこの砂漠
果てしない砂の海
ゆらめく無限の回廊

降り注ぐ太陽が
肉を炙り 膚を焦がす
熱い風がほほをなでる
愛の言葉をつむぎながら

砂は愛し 砂は渇き
求める ただあなたを
砂は歌い 砂はささやく
永久の約束を


曇りない空の下
囚われびとがさまよう
枷はなく檻もない
やさしい不滅の牢獄

誘う人影はしんきろう
見えていても実体はない
地平線に出口はなく
近付くほど遠ざかって

砂に迷い 砂に灼かれ
疲れ果てたあなたに
砂が積もり 砂の砂漠は
抜け殻を抱きしめる


肉が朽ちて骨が残り
石に変わり 風化し
砂になってずっとそれから
永遠が終わるまで

おもかげのまち

古い街並みに 足をとめれば
なぜだか懐かしい 気がして
むかし置いてきた 遠い故郷に
どこかおもかげが 似ていて

もしもすべてが ずっとあの日のままなら
過去の自分に 今も 会いに行ける気がして

うずもれた 記憶の街を歩けば
忘れた思い出が 心惑わせる


路ですれ違う 人影たちは
いつでも誰かに 似ていて

もしもすべてが ずっとあの日のままなら
遠い昨日に 今も 会いに行ける気がして

風化した 記憶の路地に入れば
忘れた人々の 声がこだまする


だけれど故郷は 今はもう無く
見知らぬ廃墟が あるだけ
不意に想い出す 日々のすべては
記憶の外には 何もない

薄れた記憶に 思いはせても
失った居場所は もうどこにもない

もう戻れない

スノウ・マリンスノウ

スノウ・マリンスノウ
降りゆく雪 ただ音もなく
スノウ・マリンスノウ
聞こえるのは 遠い風の歌だけ


灰の中に埋もれ眠る
街はまるで海の深層
積もる雪はマリンスノウ
枯れた大地やさしく包む

瓦礫ばかり満ちた街に
今も電灯点滅している
機械たちは守り続ける
誰もいない廃墟の都市を

Snow, white snow,
Fill the World with silence

スノウ・マリンスノウ
舞い散る雪 世界埋め尽くす
スノウ・マリンスノウ
輝くのは 透明な記憶


空っぽの世界には争いも憎しみも何もかもなくなって
苦しみも哀しみも感じない風景にただ雪が降り積もる

永遠の静寂に浸されたこの世界 同じ日を繰り返す
明日も明後日も 次の日もその先も何一つ変わらずに

傷ついたこの世界に
いま冬が来る
果てしない眠りの冬
やすらぎの季節が――

スノウ・マリンスノウ
滅びの雪 やさしい終末
スノウ・マリンスノウ
融けゆくのは 過ぎ去ったまぼろし

Terminal


*instrumental

phi phenomenon

まわるまわるまわるまわる――
映写機のリール 音立てて かたかたと

まわるまわるまわるまわる――
フィルムの静止画 なめらかに動き出して

まわるまわるまわるまわる――
まばゆい視界 パノラマでくるくると

まわるまわるまわるまわる――
綺麗な映像 めくるめく季節 色鮮やか

移りゆく心象は
薄れていく ほら 何回繰り返しても
知らない異国の 知らない時代の
知らない風景のよう

輝く景色が明瞭に見えても
壊れた心が闇に映し出す影
無限の時間が流れて過ぎても
停まった心は今もずっと動かないまま


まわるまわるまわるまわる――
多彩な情景 足早に次々と

まわるまわるまわるまわる――
見知らぬ記憶 なにもかもただ他人事のよう

つぎはぎの想い出は
風化する ほら 何回思い出しても
知らないどこかの 知らない誰かの
知らない人生のよう

素敵な物語が現実に見えても
壊れた心に映る見せかけの影
無数の場面が浮かんで消えても
うつろな心は今もずっと動かないまま


燃える燃える燃える燃える――
廃墟の世界 音立ててぱちぱちと

燃える燃える燃える燃える――
偽物と本物 なにもかも ほら 煙になって

感情も想い出も
燃え尽きて ほら  等しく灰に変わって
苦しい気持ちも せつない痛みも
なにも感じないまま

眼にするすべてが確かに見えても
狂った世界が見ている虚構の夢
生命の炎が燃え尽きかけても
むなしい心は今もずっと変わらないまま

映画の結末をとっくに過ぎても
出口の見えない壊れた劇場に今も置き去りのままで
心の残骸かすれて消えても
知らない誰かの見ている夢を繰り返すだけ

空虚で寂しい夢にずっととらわれて――


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