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Café Rainbird

Melancholic Autumn Garden(2011.09.24)

Music & Lyrics by Café Rainbird

CONTENTS
1. 廃墟庭園(Der Ruinengarten)
2. おもかげのまち(Town of the Past Remnants)
3. いつか、夏の(Some Time Ago, In a Summer)
4. 此夕溪山對明月(The Moon Beyond the Mountains (In Tribute to an Old Japanese Novel ) )
5. Melancholic Garden
 

廃墟庭園(Der Ruinengarten)

崩れた庭園に花が咲く
白黒の花畑が
焦げた煉瓦の壁の上覆い尽くす

埋もれた庭園に鳥が啼く
古ぼけた鳥たちが
土の下から美しい声でさえずる

そう、それはいつか見た風景
古い記憶の呼び声
忘れられた記憶たちが呼んでいる


壊れた庭園に風が吹く
野ざらしの石像たちが
今夜の風は冷たいと嘆いている

廃れた庭園に月が出る
蒼白く病んだ月影は
時の洗礼の傷痕を やさしく包む

そう、それはいつか見た夢
心の底のよどみで
想い出される時をただ待っている


寂れた庭園にふたりきり
僕らは途方に暮れながら
無限に広い庭園の出口探す

今夜も瓦礫の物陰で
静かにふたり眠る
夢の中
寝息立ててまた夢を見る

かつての淡い気持ちも
僕ら二人の心も
永い時の彼方で ほら風化する

それは灰色の夢
果てなき時間の迷宮
無数の記憶の残骸に埋もれゆく

廃墟の庭園で僕たちは
永久の夢見続ける
出口探してふらふらと
さまよい続ける


おもかげのまち(Town of the Past Remnants)


古い街並みに 足をとめれば
なぜだか懐かしい 気がして
むかし置いてきた 遠い故郷に
どこかおもかげが 似ていて

もしもすべてが ずっとあの日のままなら
過去の自分に 今も 会いに行ける気がして

うずもれた記憶の街を歩けば
忘れた思い出が 心惑わせる


路ですれ違う 人影たちは
いつでも誰かに 似ていて

もしもすべてが ずっとあの日のままなら
遠い昨日に 今も 会いに行ける気がして

風化した記憶の路地に入れば
忘れた人々の 声がこだまする


だけれど故郷は 今はもう無く
見知らぬ廃墟があるだけ
不意に想い出す 日々のすべては
記憶の外には何もない

薄れた記憶に思いはせても
失った居場所は もうどこにもない

もう戻れない


いつか、夏の(Some Time Ago, In a Summer)

気まぐれに吹いた 海辺の風が
飛ばしていった麦わら帽子を
追いかけたふたり 石畳の道
君と私の 夏の日の

――やさしい記憶も 日々の喧噪に
  いつしか埋もれてしまうのかな

ごめんね 何も言わなくて
行きたかった 一緒に
だけど思い出しか 私
向こうに 持っていけないから


異国に旅立つ 船の汽笛が
告げる別れを遠くに聴いては
青空眺めた ふたりの砂浜
君と私の 夏の日の

――きれいな記憶も 日々の雑踏に
  いつしか紛れてしまうのかな

ごめんね 何も言わなくて
逢いたかった 最後に
だけど君を見れば 私
きっと こらえられないから


――月日が過ぎればいつしか君も
  私を赦してくれるのかな

それなら 夏の微風が 
そっと肩を撫でたら
思いだして 
いつも君の隣にいた 私のこと


此夕溪山對明月(The Moon Beyond the Mountains)


山脈に 陽は沈み
闇に浸りて徐に 意識醒めゆく

遠山に出づる 秋の望月
獣の姿 照らし惑わす
呻き零れる 玉の言葉
草木の外に 知る人も無し

刻は来て 夜も白み 
昏き眠りに囚われて 心移ろう

曙の空に 浮かぶ残月
理性の光 翳み消えゆく
虚ろに響く 獣の咆哮
山川の外に 聴く人も無し


Melancholic Garden


夢を見ていたんだ きっと
陽光差し込む窓辺で
淡い午後の木洩れ日のような
やさしい夢を

春 色とりどりの花咲く庭
白い小鳥が甘く愛の歌うたう

胸に秘めた言葉は 
結局君に届かぬまま
夢の中の思い出に 
静かに眠っている


涼しい夕の風が吹いて
午後の夢から醒めれば
熱い夏の日射しはもう
部屋の中に届かない

秋 枯葉散るセピア色の庭
誰もいない風景が 黄昏に沈む

ねじの切れた心は
時を刻むのをやめたまま
暗く深い夕闇を
今でもさまよっている


懐かしい日々の思い出に
囚われ 心錆び付いて


ほら 長い時が過ぎても
僕の季節は巡らぬまま
同じ秋の旋律を
何度でも繰り返す

君のいない世界は
時の歯車壊れたまま
遠い終末の訪れを
寂しく夢見ている



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